『祈昌の世迷言』・・・アジアの片隅より

離島と本土を繋ぐ日本最小の『暁橋』のたもとから、娘と善き隣人に届けます。

新型コロナウイルスとの闘いに思う・・・大きな恐怖(前編)

「ウイルスを政治化しないで」と反論するWHO テドロス事務局長 此方より寸借



 WHO(世界保健機関)テドロス事務局長は、4月14日に、アメリカのトランプ大統領が、「中国の主張をうのみにし情報共有を怠ったとして、WHOへの資金拠出を一時停止する方針を打ち出した事』について、「ウイルスとの闘いに焦点を当てるべきだ。ウイルスを政治化しないで欲しい」と訴えた。



 新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、中国当局の初動の遅さを指摘する声が世界で高まる中、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が中国を擁護し続けている事を、世界中から非難されたんじゃが・・・。



 世界中の人々の健康と命を護る役割を担っている、WHO(世界保健機関)の長である、テドロス・アダノム・ゲブレイェソス氏で在るが、今回の件で名前が挙がるまでは、失礼ながら全く知らん人物じゃった。



 で、テドロス事務局長について、英語や、エチオピアの一般的な言語であるアムハラ語も使用して、ネットで調べてみたんじゃった。



 彼は、1965年3月3日、現在のエリトリア国で生まれた。



 エリトリア国は、1961年9月1日から1991年5月29日の間の、エリトリア独立戦争を経て1991年5月29日に独立を宣言し、国際連合監視下の住民投票に基づき1993年5月24日に独立が承認され、その後も両国は、エチオピア・エリトリア国境紛争を戦ったが、2018年7月8日に関係正常化の合意文書に調印したと言ぅけぇ、テドロス事務局長は、戦乱や動乱の中で生まれ育ったんじゃった。
 


 リトリアの一流校である大学を卒業し、1986年に保健省に入省し、マラリア研究の第一人者として知られちょるらしゅうて、感染病対策や保険制度の改革や、国民の福利厚生を充実させるための改革に手腕を発揮し、エチオピアで保健大臣、外務大臣を歴任し、2017年にアフリカ人として、初のWHOを率いる事務局長になったんじゃった。



 コレラ流行隠蔽疑惑とか、2019新型コロナウイルス流行への対応に対する批判とか、以前から悪い噂が在った人物なんじゃが、今回の新型コロナウィルス感染症の発生以降、エチオピアには中国が大量の援助をしているから中国に忖度しているとか、中国への配慮や擁護を繰り返す発言を行い、結果ウイルスの世界的な拡散を招いたとして批判の声が上がっているとか、今、オンライン上では「即座に辞任すべきと、多くの署名が全世界から集められちょるんじゃった。



 とは言え、儂が アムハラ語で検索した国内の評価では、悪い評判も在るんじゃが、エチオピアを愛し、仕事熱心で恩義に厚い男だと言う友人の談話や、子煩悩で家族を大切にしているとかの情報もヒットするけぇ、悪い人物じゃぁ無いんかも知れんのじゃが、国を愛する余り、自国に多大な資金援助をしてくれる中国に対して忖度をし、その結果として、2020新型コロナウィルスパンデミックを引き起こして仕舞ぉたんじゃとしたら、万死に値するんじゃった。



 じゃが、国際連合専門機関(国際連合機関)の一つである、世界保健機関(WHO)を率いる事務局長に誰が成ろうが、儂にとっちゃぁ問題じゃぁ無い。



 不適格者と判断されたら、その内、他の誰かが選出されて、トップの首が挿げ帰られるだけじゃけぇ・・・。



 問題なんは、WHOも含めた国際連合の中で、WHOの事務局長を操れる程、中国の影響力が強大になっちょると言う事なんじゃった。



 中国政府は23日、WHO(世界保健機関)に新たに3000万ドル、日本円にしておよそ32億円を寄付する事を明らかにしたんじゃが・・・。 



 「3000万ドルを援助し、新型コロナウイルスの対応や途上国の衛生システムをつくるのに利用して貰う。」と、中国外務省の耿爽報道官が述べちょるんじゃった。



 中国は先月、WHOに2000万ドル、日本円でおよそ21億円の寄付を既に発表しており、23日、新たに3000万ドル、日本円にしておよそ32億円を寄付する事を明らかにしちょるけぇ、合わせて5000万ドル(日本円で約53億円)となり、中国外務省は、WHOについて「国際協力の重要な役割を果たしている」としたうえで、寄付は「中国政府と人民のWHOへの支持と信頼を表している」と強調し、アメリカ政府やトランプ政権との違いをアピールして、更に影響力を強めようとしよるんじゃった。(約束だけに終わらず、ほんまに払ぉて欲しいもんじゃが・・・)



 日本政府も2月には10億円を拠出し、新たに46億円の拠出を表明しちょるんじゃが、総額で56億円となり、中国を上回っちょるのに、余り話題になっちょらんねぇ・・・。


 威張ったり褒められる為にしよるんじゃぁないけぇ、良ぇ様なもんじゃが、・・・『陰徳あれば必ず陽報あり』たぁ言ぅんじゃけど、もう少し自国の功績をアピールする事も必要じゃとは思うんじゃけどねぇ・・・。



武漢市内を視察した習近平国家主席(3月10日・新華社=共同) 此方より寸借 



 今回のテドロス事務局長に関連した一連の報道を聞いて、『中国って、其処まで影響力が在るんだ⁈』と、驚かれた方も多いぃじゃろうと思う。



 儂は、中国を敵視しちょる訳じゃぁ無いが、以前から再三に亘って「中国を批判するブログ記事」を書いて来たんけぇ、以外には思わんかったんじゃが、一連の報道を聞いて、『遂に此処まで遣りだしたか・・・ヤバイのぉ・・・』と、思ぉたんじゃった。



 外務省の報告による、2018年~2020年の国連分担金の多い国の順位は、1位・アメリカ合衆国・22%6億7,860万ドル・・・2位・中華人民共和国・12%3億3,680万ドル・・・3位・日本・8.5%2億4,020万ドル・・・4位・ドイツ・6%1億7,080万ドル・・・5位・英国・4.5%1億2,810万ドルで、以下に、フランス・イタリア・ブラジル・カナダ・ロシアと続くんじゃった。



 これは、各国の国連分担金額であるが、WHO(世界保健機関)への負担金の割合も、これに比例していると考えて差し支えないんじゃった。



 流石にアメリカの拠出額は膨大で、2位の中国の倍近くの額になっちょるんじゃった。



 実際、テドロス事務局長の就任に関しても、アメリカの強力な後押しが在った御蔭で、実現する事が出来たらしぃんじゃが・・・。



 それだけに、今回の新型コロナウィルス感染症に纏わる、テドロス事務局長と中国の蜜月振りには腹立たしく感じちょるじゃろぉし、中国の肩を持つ言動は、アメリカやトランプ大統領にとっては、怒り心頭と言った処なんじゃろぉが・・・。



 WHO(世界保健機関)への負担金の額や、WHO(世界保健機関)の事務局長選挙の際に、アメリカに後押しして貰った経緯から考えれば、テドロス事務局長が中国寄りの言動をとる事は、『如何なる国に対しても公平な対応を求められる立場』とは言え、「義理を欠いた行為」とも受け取れるんじゃが・・・。



 その背景には、『あからさまな中国の影の力』が働いちょるとしか思えんのんじゃった。



北京で会談し握手を交わす習近平国家主席とテドロス事務局長 此方より寸借








 上の二つの資料A・Bは、独立行政法人 国際協力機構(JICA) 内に在るJICA研究所が纏めた、中国の対外援助の現状なんじゃが・・・。



 上の資料Aは2015年3月25日に、下の資料Bは2018年10月5日に、早稲田大学理工学術院教授であり、JICA研究所客員研究員でもある、北野尚宏氏が発表したモノである。



 聞き慣れない専門用語がギッシリ詰まっちょるけぇ、読み解き難いんじゃが、この二つの資料を見比べると、2005年辺りから、中国の対外援助額は急激に伸び始め、指数関数的に増加しているんじゃった。 



 資料A・Bには、3年弱のタイムラグが在るんじゃが、2015年から2018年にかけての伸び率が凄まじゅぅて、特に注目すべき点は、中国対外援助地域別コミット額の割合が、アフリカに約50%、アジアに約30%で、全体の8割以上を占めている点である。



 膨大なチャイナマネーの大半が「アフリカ」に流れちょるんじゃった。
 


 3割とは言え、アジアに流れているチャイナマネーも、強大な額なんじゃった。 



 中国は、此処、十数年間かは、日本との「尖閣諸島問題」だけじゃぁ無ぉて、全ての隣接国と領土問題を抱えちょって、特に近年は、南沙諸島中沙諸島東沙諸島に領有権を主張し、「中国の赤い舌」とも呼ばれて、非難を浴びながらも、実効支配を強引に続けながら、確実に範囲を広げて行きよるんじゃった。



 「2020チャイナウィルスパンデミック」によって、話題にもニュースにも取り上げられん様に成っちょるんじゃが、それ以前から、中国に対する批判はトーンダウンしちょって、その背景に、巨大なチャイナマネーの影響力が在ったんは言う迄も無い事じゃった。



 強健な政策で知られるフィリピンのドゥテルテ大統領も、チャイナマネーの圧倒的な力と、巧みな外交に、巧く丸め込まれた形になっちょるんじゃった。 



 アジア諸国よりも、更に経済的に、厳しい状況に在るアフリカ各国にとっては、その影響力は、絶大なモノに成っちょる事は想像に難くないじゃろぉ・・・。



 それ故の、『テドロス事務局長と中国の蜜月振り』なんじゃろぉし、国連やWHO(世界保健機関)への拠出金の額が、アメリカが頭抜けちょるとは言え、エチオピアを始め、アフリカ諸国に投資されるチャイナマネーの方が、身近で重要なんじゃと思うんじゃった。



 『自分の雇用主である社長よりも、入院中の親を見舞って呉れたり、息子の仲人を勤めて呉れる専務の方が大切』と、言った処じゃろぉか・・・。
 
 
 
ケニアの首都ナイロビで、中国資本による鉄道建設の現場で働く作業員 此方より寸借






 日本と中国が行っているNGOの活動については、よく比較されるれるんじゃが、色々の部分で語弊が有るじゃろぉが、若干、日本贔屓の見方の「大まかな例え話」としてザックリと紹介させて貰う。



 日本が、A国に1000億円の規模で水力発電用のダムの建設を行うとする。

 JICA支援窓口などを通じて、日本の企業が参入し、現地で日本の技術者が中心となってプロジェクトが進められるが、高学歴の現地職員も参加するので、技術者が養成される手助けにもなる。

 機械設備などは日本から搬入されるが、資材はなるべく現地で調達され、作業に係る労働者も現地の住民が雇われるので、多くの雇用が発生し、インフラが整備されて発展して行けば、相互の経済交流や貿易が円滑と成って、ウィンウィンの関係が構築されて共に発展出来るんじゃった。



 中国が、A国に1000億円の規模で水力発電用のダムの建設を行うとする。

 国際協力に携わる非政府組織や民間団体を通して、中国の企業が参入するが、全ての団体や企業に、政府や共産党が強く関与している為、実際には、NGO(非政府組織)とは言い難い存在なんじゃった。

 プロジェクトチームは、中国人技術者で構成されていて、機械設備や資材も、全て中国から運び込まれ、作業に係る労働者も、中国から大量に送り込まれて来る為、現地の住民が雇われるのは、安い賃金での下働き程度で在る。

 インフラが整備されても、出資金の代償として、経営権などを中国企業が牛耳って仕舞う為、利益は中国が吸い上げて仕舞う為に、A国は豊かに成れず、「中国の従属国」、或いは「中国の奴隷国家」に成って仕舞うんじゃった。

 港湾や空港の建設で在れば港湾や空港の使用権を、石油や鉱物の採掘施設の建設で在れば採掘権を、出資金の代償として中国が牛耳って仕舞うんじゃった。



 「2020新型コロナウィルスパンデミックの猛威が、アフリカ大陸全土に及んだら、脆弱なアフリカ各国の医療体制じゃと一溜まりも無いじゃろぉ・・・。


 人的な被害も去る事ながら、経済的な損失も大きい事が予想されるし、経済が大打撃を受ける事で、中国からの借入金を返済出来なくなれば、あらゆる既得権益や国土さえも、チャイナマネーに呑み込まれて仕舞うんじゃった。


 誰もが、「中国は酷い国だ‼・・・」と、誹謗中傷するじゃろぉが、15世紀から20世紀にかけて、西洋の列強が、アフリカやアジア諸国に仕掛けた手法と何ら変わりは無いし、資源が枯渇したとみるや人を捕らえて奴隷として売買したし、紳士の国イギリスに至っては、中国が物を買わないと拒むと、植民地のインドでケシを栽培させてアヘンを造って中国に密輸し、国力が弱ったと観るや戦争を仕掛けて国まで奪って仕舞ぉた。


 儂的には、合法的なだきゃぁ、中国の今の遣り方の方が、未だ増しじゃと言えるんじゃった。



 「2020新型コロナウィルスパンデミックが終息した頃には、アメリカに成り代わって、中国が世界を率いるリーダーに成って仕舞うかも知れんのんじゃった。


 新型コロナウィルスが蔓延し始めた頃、「コロナは中国が故意に撒いた」と言う噂が実しやかにネットに流れよったんじゃが、流石にそれは無いと思うんじゃが、中国政府や中国共産党が、「2020新型コロナウィルスパンデミックの騒ぎや混乱を、巧みに利用しよるのは間違いの無い事実じゃろう。



 アメリカに成り代わって、中国が世界を率いるリーダーに成って仕舞ぉても、今の中国の政治体制じゃと、全世界が共産主義に飲み込まれて仕舞う事は有り得んし、その心配は微塵もない。



 自分の保身だけしか考えん、「盲目」とも言えるトランプ大統領よりは、習近平の方が、幾らか安心して見ていられる気はするんじゃが・・・。



 世界のリーダーの首が、トランプから近平に挿げ変わろぉが、染めた金髪頭から、染めた黒髪に挿げ変わるだけで、極端に変わる訳じゃぁない・・・『あんた等の好きにしんさいや・・・』と、言う感じで居るんじゃけど・・・。



 じゃが、「2020新型コロナウィルスパンデミックの裏側で蔓延しよる、「真の脅威」に対する「大きな恐怖」は、儂の心の中で、日に日に増大しよるんじゃった。・・・アジアの片隅より