『祈昌の世迷言』・・・アジアの片隅より

離島と本土を繋ぐ日本最小の『暁橋』のたもとから、娘と善き隣人に届けます。

『朝三暮四』・・・無い知恵と知識で、消費税増税を思う

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朝三暮四図  此方より寸借



 「朝三暮四」と言う、中国の古事に由来する四字熟語が在ります。



 「朝三暮四」は『列子(れっし)』の「黄帝」が由来となっています。



 『烈子』は中国・戦国時代の思想家である列禦寇(れつぎょこう)の著書で、故事・寓言・神話が多く記された道教の教典で、『沖虚真経(ちゅうきょしんけい)』とも呼ばれています。



 話の粗筋は、春秋時代の宋に、狙公(そこう)と言う、猿回しが居た。

 家が貧しくなったため、飼っていた猿に与える餌を減らす事にした。

 けれども、猿が自分に懐かなくなると困るので、狙公は旨い言い方を考えた。

 「今日から朝の餌を3個に減らす」と言うと、案の定、猿が怒ったので、「それでは夜の餌を3個に減らす」と言ったところ、猿は納得したと言う。



 狙公の詐術に旨く言い包められて仕舞う猿の浅知恵を笑っている故事であり、意味合いとしては、「旨い言葉で言い包めて他人を騙す事」となるのでした。



 「朝三暮四」は、『荘子(そうし)』の「斉物論(せいぶつろん)」に引用もされています。



 『荘子』は中国・戦国時代の思想家で、道教の始祖の一人とされる荘子が著した道家の文献です。



 話の内容は『列子』とほぼ同じで、宋の狙公が飼っている猿に与えるトチの実を「朝に3つ、暮れに4つ」やると言うと、猿が怒ったので「朝に4つ、暮れに3つやる」と言うと、猿は喜んだと記されています。



 『荘子』では、本質に変わりはないにも関わらず、区別を設ける狙公と、その区別に拘った猿の両方の浅薄さを良しとしておらず、意味合いとしては、「表面的な違いや目先の利害に囚われて、結果や本質が同じである事に気が付かない事」となります。



 つまり『列子』の話の眼目は、言葉に踊らされて騙す、あるいは騙されると言う所ににあり、荘子の方は本質は、同じなのに言葉によって感情が変わる例として使われています。



 いずれにしても、良い意味には使われない四字熟語なのですが・・・



 儂の狭浅な知識で中国の古典を語ると、素っ頓狂な事を書いて、大恥を晒す事になるだろうから、この辺で止めますが、中国の古典に興味をお持ちの方は、儂と親交の有る、平田圭吾氏が、広く深い知識と見識を御持ちなので、氏が投稿されている、アメブロ「平田圭吾の今日の易の言葉」エキサイトブログ「今日の易の言葉」を、御購読ください。






 消費税が、来月(令和元年10月1日)から、10%に引き上げられます。



 あらゆるメディアで頻繁に報じられ、テレビのニュース番組では、連日、特集を組んで各局、挙って報じているのですが・・・。



 儂は数字に疎い・・・計算が苦手だし・・・数字の羅列に嫌悪感さえ感じる。



 小学生の時に、十露盤塾に通ったが、一週間も持たずに辞めた・・・5歳で始めた習字は、大学を卒業するまで通ったのですが・・・。



 バブル経済が沸騰し始めた頃、経済学部を卒業し、大手の証券関係の会社に就職したが、生理的に合わない為、1年余りで辞めて、東京の伯父が経営する小さな建築関係の会社(鳶職集団)に入って、学生時代の友人達から、「アホやなぁ~」と、笑われた。



 消費税が、8%から10%に上がる事が決まった時、『やぁぁれ、これでみやすぅなるのぉ。と、単純に思った。



 確か、消費税が、3%から5%に上がった時も、『計算し易ぅ成った。』と、同じ事を思ったし、逆に、5%から8%に上がった時は、『ややこしゅぅにして、騙暗かそぉと思やぁがって‼・・・』と、心の中でイラッとしたものでした。



 儂は、物事を、深く複雑に考える能力が欠如してる。



 簡単に言うと、頭が悪い。・・・脳梗塞を患ってから、余計に酷く成った気がする。・・・大切な事は、よく忘れるが、要りもしない余計な事だけは能く憶えてる。



 消費税が10%に成るので、『計算し易ぅなるのぉ。』と、喜んでいたでいのだが、8%の軽減税率の存在が、話を、ややこしくて居るのでした。



 「飲食料品などの生活必需品を対象に、8%の軽減税率導入する事によって、低所得者層の家計負担を緩和する。」と言う趣旨らしいのですが、・・・



 何処某かの政党が、支持者受けを狙って、強く主張して鮴押ししたらしのですが・・・






 大学の時の専ゼミの教授が、「税金で一番大切なんは、公平な事や。二番目に大切なんは、解り易い事や。」と、力説しておられた事を思い出します。



 教授の受け売りでは有るが、儂も全くその通りだとと思って居るのでした。



 今回、変更される消費税は、分かり難い事極まりない。



 8%の軽減税だけでは無く、コンビニエンスストアや、すし店でのイートインとテイクアウトの取り扱いの違いだの、自動車税減税や中小小売業でキャッシュレス決済5%還元するだの、「免税事業者」「益税」の存在であるとか、「消費税」に纏わる事柄には、「分かり難い、ややこしい話」ばかりなのでした。



 キャッシュレス化を目指している、政府の後押しの影響も有るのだろうが、LINE PayだのPayPayだの楽天ペイだのPay系と呼ばれるキャッシュレス決済アプリの企業や、既存のクレジットカードの会社などが、ポイント還元キャンペーンを一斉に繰り出して鎬を削っているし、不動産関係の企業だの、色々なアパレルメーカーやデパートなども、増税前に・・・」の合言葉のもと、煽り商法や便乗商法を展開して、混乱に拍車を掛けている様な気がするのでした。


 
 儂は、自他ともに認める「愚者」である。



 だから、何が良いやら、どれが得なのかは、よく分かりません。



 そんな儂が、こんな事を言ったら、気を悪くされるでしょうが、
 
 
 
 「たかが2%じゃろぉ・・・何で大騒ぎするんじゃろぉ⁈」
 
 
 
 不謹慎かも知れないが、そんな風に思っているのでした。
 
 
 
 貧乏人だと言ぅ事もありますが、アメブロ「ミニマムスタイル素敵LIFE・・・」と言うブログを書いて居られる佳*keyさんの影響を受けて、「不必要な物を買わない持たない生活」を心掛ている所為で、2%の値上がりだと、家計に大きぃ響きそうにも無いし、況してやエンゲル係数の高い我が家ですと、10%の消費税がかかる商品を購入する割合も少ないので、ほぼほぼ影響が無いのでした。



増税前に買うべきものはこれだ!  此方より寸借



 儂が主たる職場としている、儂の友人が経営する割烹料理店では、先日、消費税増税に対応する新型レジスターを購入しました。



 以前のレジスターは、オヤジさん(店主の父で、病気の為に引退されたのを機に、和食の定食屋から割烹料理店として新たにスタートした)の頃から使っていた骨董品で、新型は、料金精算だけでは無く、月毎の集計とか様々な機能が付いているらしく、女将は大喜びしているのですが・・・。



 20万円ほどの品物らしいですが、うちの店だけですと知れちていますが、全国で、これを機に新しいレジを購入した店舗も多いでしょうし、部品交換や設定変更とかの費用も掛かったでしょうし、全国規模で言うと、相当な金額に成るのでしょう・・・



 自動販売機だのATMだの、金に関係したあらゆる機械が、機種変更だの部品交換だのの設定変更を強いられたのでしょうから、全国規模ですから、その額は莫大な金額になるのだと思います。



 昔から、「風が吹けば桶屋が儲かる」とは言うのですが、目に見えない処の陰で、結構な儲けをしている者も居るのだろうと思うのでた。



日本経済を脅かす政策  此方より寸借



 抑々、消費税は、社会保障の安定化」の為に始まった筈でした。



 それが、本当に為されるのでしたら、2%の増税など、文句を言う必要は、儂は無いと思うのですが・・・。



 儂の個人的な持論を言うと、消費減税とか、紛らわしいモノは取っ払って、北欧諸国並みに、20%にでも消費税率を上げて、不公平が出来ない様に、個人所得や法人税を抜本的に改革して、膨大な資金を背景に、子育て支援・教育・医療・福祉・住宅も含めた福利厚生を充実させ、日本国民として生まれたら、一人残らず、心豊かな生活を過ごせ、幸福に満ちた生涯を送り、安心して臨終の時を迎えられる国を実現してくれるので在れば、それが一番だと思って居るのでした。

 「何を甘い事を・・・」と思われた方も多いでしょうが・・・ 



 儂は、自他ともに認める「愚者」ですし、能天気な性分なのでした。



 しかし、今回の消費税増税に関ししかしては、何やら漠然とした変な不安を感じるのです。



 別に、儂一人の事でたら、そんなにに長生きも出来そうに在りませんし、どんな厳しく苦しい状況になろうとも、耐えられる自信が有ります。



 ですが、子や孫の世代・・・儂の血族も、見ず知らずの多くの人々も、悲惨で惨めな生活を強いられるとしたら・・・。



 それを想うと、耐え難いモノが有のでした。



 「朝三暮四」の、猿の様にされてはいないだろうか⁇



 脳裏の奥底から、「猿にされとぉ無かったら、世の中に目を向けて逸らすな‼」と、19歳の儂が叫んでいる。 



 『ほいじゃがのぉ・・・』と、58歳の儂が、ぼんやりと答えたのでした。・・・アジアの片隅より