『祈昌の世迷言』・・・アジアの片隅より

離島と本土を繋ぐ日本最小の『暁橋』のたもとから、娘と善き隣人に届けます。

長男への郵便

小島被告に無期懲役の判決  此方より寸借



 2018年6月9日、東海道新幹線で乗客3人を殺傷した罪に問われている小島被告の裁判で、横浜地裁小田原支部は12月18日、無期懲役の判決を言い渡した。



 「2018年東海道新幹線車内殺傷事件」は、事件は6月9日、午後9時47分ごろ、東海道新幹線東京発新大阪行き「のぞみ265号」の12号車で、ナタと果物ナイフを持った小島容疑者が、座席に座っていた2人の女性客にいきなり襲いかかり、「助けて!」というただならぬ叫び声を聞いた2つ後ろの席に座っていた会社員・梅田耕太郎さん(享年38歳)が、凶行を阻止しようと小島容疑者に飛びかかり、もみ合いとなったが、小島容疑者は梅田さんの上にまたがり、ナイフで首など数十カ所をメッタ刺しにしており新幹線内は血の海となった。



 病院に搬送された梅田さんは間もなく死亡し、切りつけられた女性2人は、幸いにも軽傷だった。


 小島被告は、11月28日の初公判から、この日を含め6回にわたる公判で、過激な発言を繰り返して、起訴内容を認めた上で「3人殺せば死刑になるので2人にしておいた」「有期刑だったら出所後に必ず人を殺す」などの発言を繰り返し、被害者や遺族への謝罪の気持ちも「一切無い」と言い切っていた。


 裁判長は判決理由「『一生刑務所に入るため』という動機は、あまりにも人の命を軽視し身勝手だ」と指摘。無期懲役は被告の希望通りにはなるが、量刑について(無期懲役より軽い)「有期懲役(の選択肢は)は全くない」と理由を説明した。



 結果的には、小島被告が望んだ、無期懲役と言う量刑が下されたんじゃが、何とも遣り切れん思いしか残らん事件じゃったし、判決じゃった。



 この事件では、小島被告に、如何なる判決がくだされるのかと言う事や、裁判員制度の在り方や是非についても注目が集まったんじゃが・・・。



 愚者である儂には、この判決が適切じゃったか否かを判断する、知識も知恵も持って居ない。



 また、この事件や判決に付いて、皆さんに問い掛ける為に、ブログ記事として取り上げさせて貰ぉた訳でも無いんじゃった。






 先週末、うちの部屋に書留が届けられた。



 



『何じゃろぉ⁈』と、思ぉて差出人の宛名をみたら、 「広島地方裁判所」と在った。



 最近、裁判所や法律事務所の名前を使ぉた特殊詐欺が横行しちょるけぇ、不審に思いながら見たら、届け先の宛名の名前は長男じゃった。 



『またかぁ・・・』と、思ぉた。



 実は、去年も、此れと同様の郵便物が、広島地方裁判所から送られて来たんじゃった。



 



 以前のブログ記事「相模原障碍者施設殺傷事件・・・三年経って・・・」「ブログを休止していた訳・・・ 」でも話した話じゃが、去年の4月から同居を始めた長男には、重度の知的障害があり、今年23歳に成ったが、言葉を持たず、此方から話しかける内容は、或る程度の理解は出来るものの、物に名前があると言う概念が欠如して居り、経験によって、「このシチュエーションでは、こうすれば良い」と言う判断をしながら、相手の表情や仕草で、それが正しいか間違いかを判断しよるんじゃった。



 長男に届いた郵便物とは、「裁判員裁判」裁判員の候補者に成ったので、指定された期日に送付した書類に記入して、指定した期日に、「当裁判所 裁判員候補者待合室」までお越しくださいと言う物じゃった。



 実は、去年にも、同様の郵便物が届いたんじゃった。(去年は、B5サイズくらいの封筒じゃったが、今回はB4サイズの封筒にA4サイズの書類が入っていた)



 その時は、『何ぃさくれよんなら‼』広島弁・「何をふざけているんだ‼」)と、若干、イラッとしたんじゃが、『重度の知的障碍者じゃ言う事ぐらい、調べてから通知を出しゃぁえぇのに・・・』と、思ぉたんじゃったが・・・。



 とは言え、所定の書類に、長男の障碍者手帳のコピーを添えて、重度の知的障害が在る為、裁判員としての責務にはあたれない事を書いて、広島地方裁判所に送り返したんじゃった。



 で、今回の通知である。・・・チョッと呆れた。



 逆に、それ以上に、・・・切ない気持ちに成って仕舞ぉた。






 同封された書類の中の、裁判員候補者に選ばれた方々へ」と言うパンフレットには、裁判員候補者のプライバシーや生活の平穏を守るため、裁判員候補者になったことを公にすることは法律上禁止されています」と書かれちょるんじゃが、個人名も住所も公表しちょる訳じゃぁ無いし、問題は無かろうと思うし、仮に法律に抵触しちょって罰せられ様と、此れに関しちゃぁ、儂は悪い事をしたとも思わんし、恥じる所も臆する所も全く無いんじゃった。



 封筒の中には、「専任手続き当日の日程」や、障碍(車椅子仕様・聴覚・視覚)の為に手助けが必要で在るかとか、議員や司法関係者で在るかとか、現在、禁錮以上の刑に当たる罪について起訴され裁判中で在るかとか、裁判員の辞退を希望するか否かとか、その理由とかに答える「質問票」や、「旅費(交通費)・日当などの御知らせ」と旅費等の振込先の届け出用紙や、勤務先に裁判員制度への理解や協力を求める為の説明書や、その他諸々の用紙が入っちょった。



 その中に、「裁判員制度ナビゲーション」と言う、裁判員制度について詳しく書かれたパンフレットが同封されちょった。



 



「裁判員制度ナビゲーション」には、裁判員制度について、イラストを使ぉて、解り易く、詳しく説明してあった。



 これを読まして貰ぉた御蔭で、儂にもある程度、裁判員制度について解る様になりゃぁしたんじゃが・・・。



 それにしても、何で、うちの長男が、2回も裁判員の候補に選ばれたんじゃろぉか?



 恐らく、日本国籍が有る事」とか、「重大な犯罪歴が無い事」とか、必須条件は在りゃぁするんじゃろぉが・・・。



 そぉ言ぅ意味からすりゃぁ、うちの長男は、交通違反で反則切符も切られた事さえないけぇ、該当はしゃぁするんじゃろぉが・・・。



 前回、儂が送った裁判員に成る事を断る趣旨」を書いた書類は、反映されんのんじゃろぉか・・・。



 どう言った条件で、どの様なシステムを使ぉて、裁判員の候補が選出されるんかは、儂にゃぁサッパリ解らんのんじゃけど・・・


 誰が、どぉ考えても、裁判員やなんか出来やぁせん、うちの長男の様な重度の知的障碍者に対して、
 
 
 「裁判員候補者に選ばれましたので、お越しください」などと、気安ぅに郵便物を送り届けるのは、止めて貰いたいと思うんじゃった。・・・アジアの片隅より