『祈昌の世迷言』・・・アジアの片隅より

離島と本土を繋ぐ日本最小の『暁橋』のたもとから、娘と善き隣人に届けます。

新型コロナウイルスとの闘いに思う・・・小さな不安

マスクを着用して参院決算委員会に臨む安倍晋三首相
国会内で(2020年4月1日午前9時53分・・・毎日新聞・竹内幹撮影 ) 此方より寸借



 4月1日に、安倍晋三首相が各世帯に布マスクを2枚ずつ配布すると表明したことを巡り、米メディアは2日、日本で「アベノマスク」と揶揄されている事を紹介したらしい。


 新型コロナウイルス対策としては不十分だと失笑を買い、安倍氏の支持者からもエープリルフールの冗談ではないのか」といぶかる見方が出ていると伝えたらしいんじゃが・・・。



 だからと言う訳でもないんじゃろぉが、今日に成って、自民党岸田文雄政調会長が、首相官邸安倍晋三首相と会談後、記者団に「一定の水準まで所得が減少した世帯に対して、1世帯30万円支給すべきだと申し上げ、意見・認識が一致した。首相の了解を戴いた。」と述べたらしぃんじゃが・・・。



 30万円と言うと、非課税なら、ほぼ一般人の一ヶ月の給料に相当する額じゃぁ有るんじゃが・・・


 自己申請する見込みになるらしぃんじゃが・・・。



 正式に決定した訳でもないし、すぐに決定したとしても、一律に30万円を支給するか否かとか、支給する対象の線引きを何処にするかとか、細かく決める為の審査とか事務手続きとか、難しい問題が山積しちょって、膨大な量の細かな手続きを考えたら、今月中どころか、恐らく夏が来ても支給されるのは難しいと思えるんじゃった。



 伝え聞く処じゃと、家賃や光熱費も払えず、食うに事欠く人も多いぃらしぃんじゃが・・・。



 そう言う逼迫した困窮者にとってみりゃぁ、今すぐにでも支給して欲しい処じゃろぉが、なかなか思う様にやぁ行かんみたいなんじゃった。



感染拡大で生活困窮者のホームレス化懸念 都に支援要望  此方より寸借



 新型コロナウイルスの感染拡大で、生活困窮者が住まいを失う可能性が高まっているとして、都内のホームレスの支援者らが東京都に支援を要望したらしぃ。


 確かに、感染拡大の抑制じゃの、政府に「緊急事態宣言」を発令せぇじゃのすなじゃの言いよる世の中の隅っこで、そう言う問題も起こって来よるんじゃろう。



 角謂う儂も、新型コロナウイルスの影響で、随分と収入が減少しちょる一人なんじゃが・・・。



 儂の周囲の人々は、儂が高級割烹料理店の正式な板前(正社員)じゃと思ぉちょる人が多いぃんじゃが、実は違う。



 料理請負人として、飲食店やホテルや旅館や結婚式場、はたまた料理教室の講師として仕事の依頼を受けて、そこで料理を作る事を生業としちょるんじゃった。



 今風にカッコ良く言えば、フリーランスの日本料理人」で在り、個人事業主なんじゃった。



 偶々、友人が経営する割烹料理店で、月に20日ほど働いちょるけぇ、その様に思われがちじゃが、実際は、割烹料理店の定休日である日曜祝日に、ホテルや結婚式場から依頼を受けて料理請負人として働いて得る収入が半分以上を占めちょるんじゃった。(料理教室の講師は趣味に近い)



 今は何とか凌げちょるんじゃが、長期化すると厳しい・・・豊富に蓄えが在る訳でも無いけぇ、今の内から趣味やライフワークを縮小し、生活水準を引き下げんにゃぁいけんじゃろぉし、長期化したら、別れた妻に渡す養育費が滞るかも知れん。



 離婚して10年余り・・・交通事故で長期入院した時も、脳梗塞で倒れて入院した時でさえ、滞らせた事が無かったんじゃが、この世情では致し方が無い処じゃろぉか?・・・。



結束を訴え、大聖堂の前で祈りささげる ローマ教皇   此方より寸借 



 新型コロナウイルス感染症では、高齢で慢性疾患の在る患者の重篤化や死亡率が極めて高い様なんじゃが・・・。



 儂は、代謝系疾患である、高尿酸血症痛風)・高脂血症・糖尿病の三役揃い踏みで、肥満体の高血圧症で、心筋梗塞脳梗塞の病歴が在る、メタボリックシンドロームのホームラン王の様な60歳前のオジサンじゃけぇ、新型コロナウイルスに感染したら、忽ちの内に重篤化して、一週間ももたずに逝って仕舞うかも知れん。



 60年足らずの人生じゃが、幾度となく死に目に会いながらもしぶとく死線を乗り越えて来たけぇ、死ぬ事自体は、いびしょぉ無い(広島弁・恐ろしくは無い)んじゃが、未だ気掛かりな事や、遣り残した事も在るけぇ、『今、死ぬわけにゃぁいかんど!』と思ぉて、出来る限り新型コロナウイルスに感染せん様に気を配りよるんじゃった。


 で、その傍らで、「もし感染して死んだ時」の事を考えて、残った者が困らん様に、身の回りの整理を心掛けちょるんじゃった。



 尤も、身の回りの整理についちゃぁ、いつポックリ逝くかぁ分らん身体じゃけぇ、以前から心掛けちょるんじゃぁ在るんじゃが・・・。


 じゃが、死後に献体をさせて戴く段取りになっちょるんじゃが、先日、新型コロナウイルス感染症による肺炎で亡くなられた志村けん氏(本名・志村康徳)の様に、死後に肉親さえ火葬に立ち会えん様な状況じゃと、献体をさせて戴く事も叶わんじゃろぉけぇ、『生前、数々の病気や怪我をして、散々、お医者さんに御世話に成ったけぇ、せめてもの恩返しに、この身体を役立てて戴きたい』と、言う儂の願いは叶わん事になるんじゃろぉ・・・。


 新型コロナウイルス感染症とは、ほんまに厄介な病気じゃと思うんじゃった。 



 これが癌なら、ステージ4の末期癌であっても、少なくとも、ひと月やふた月の余命が在って、その間に何かかにかの事を成せるじゃろぉし、思いや言葉も伝える事もできるじゃろぉ。


 じゃが、新型コロナウイルス感染症は、そがいな猶予は与えてくれそぉにゃぁ無いんじゃった。


 それと、癌じゃったら、死ぬんは儂一人ぎりじゃが、新型コロナウイルス感染症は、誰かにうつして、その人の命を奪って仕舞うかもしれんし、そうで無ぉても、家族や友人や職場の人達だけじゃなしに、儂に関わった全ての人々が、濃厚接触者として一定期間じゃが隔離されて行動制限を強要され、店や施設は休業を余儀なくされて、多大な迷惑を掛けて仕舞う事に成るじゃろう。


 ほんまに厄介な病気じゃ・・・。



 ローマ教皇フランシスコさえ、祈りを捧げるよりも、「結束する事」を強く説かれた。



 人類の英知と愛をもって結束すれば、新型コロナウイルスとの闘いに勝利できるじゃろうか?



病棟で治療を受けるスペインかぜに罹患したフォート・ ライリー陸軍基地の兵士  此方より寸借



 儂は、今年の始め頃、中国の武漢で、新型コロナウイルスが流行し始めた報道を見て、「スペイン風邪」の事が頭に浮かんだ。



 それで、スペイン風邪について色々と調べよったんじゃが、その間にも、新型コロナウイルスは瞬く間に世界中に広がって行ったんじゃった。



 そして、心の中に『大きな不安』が広がって行くんを、抑え切れん様に成っちょったんじゃった。



 儂の個人的な「小さな不安」など、一瞬の内に覆い隠して埋めて仕舞う様な「大きな不安」が、今、心の中に重く圧し掛かって、時間の経過と新型コロナウイルスの爆発的な広がりと情勢の変化によって、「大きな不安」「大きな恐怖」へと変貌しよるんじゃった。・・・アジアの片隅より